東急株式会社傘下の伊豆急行が開催する、株主限定企画『懐かしの東急8000系ツアー』に行ってきました。
この『懐かしの東急8000系ツアー』は、東急グループ100周年を記念して令和4年9月10日(土)に開催されました。
伊豆急行線で活躍中の8000系車両に、東急線で走っていた時代のラッピングを施した特別仕様の電車に乗車して、伊豆急行線の伊豆高原駅〜伊豆急下田駅間を往復するという企画です。
『懐かしの東急8000系ツアー』概要
『懐かしの東急8000系ツアー』の概要を簡単にまとめておきます。
企画概要
- ツアー開催日:令和4年9月10日(土)雨天決行
- 募集人数:最大180名(応募多数の場合は抽選)
- 申込期間:令和4年7月19日(火)10:00〜8月1日(月)15:00
- 当選者発表:令和4年8月5日(金)より当選者に順次連絡
- 旅行代金:撮影会ありプラン7,000円(大人)5,000円(小人)
撮影会なしプラン5,000円(大人)3,000円(小人)
※乗車経路の運賃、記念品、弁当代を含む。 - 記念品:当日の乗務員行路表、8000系諸元表、参加記念乗車券、8000系ピンバッジ
- 行程
受付:9:00〜伊豆高原駅改札前
往路:伊豆高原駅発11:15頃〜伊豆急下田駅着12:00頃
復路:伊豆急下田駅発15:40頃〜伊豆高原駅着16:30頃
筆者は撮影会なしプランで参加したため、その中身については撮影会に参加した方々がアップするレポートを楽しみにしたいと思います。
『懐かしの東急8000系ツアー』配布記念品
こちらが、今回の『懐かしの東急8000系ツアー』で配布された記念品の品々です。
『伊豆急鉄道史』の冊子は予想していたレベルよりも、かなりしっかりと作られた冊子で、永久保存版として大切に保存する価値ありの一冊です。
今回のイベントでの往復の乗務員行路表もいただけます。
こういう記念品は本当に良い記念になりますし、鉄道ファンの心をしっかりと分かっていらっしゃると感激しました。
さすが伊豆急行さん、グッジョブです!
当日の参加証は首からぶら下げておくタイプでしたが、その裏側には硬券を模した参加証明書が入っています。
こういうグッズは本当に嬉しいですね。
記念品というのは得てして微妙な品々だったりすることもありますが、今回の記念品は最高に素敵なファングッズで構成されており、大満足の内容でした。
ありがとうございました!
JR熱海駅にて(伊豆急8000系と「いずきゅん」)
今回の『懐かしの東急8000系ツアー』ですが、集合場所が伊豆急行線・伊豆高原駅ですので、まずは伊豆高原駅を目指さなければなりません。
東京都心からは東海道線のグリーン車を利用すると、長時間の乗り鉄活動も快適でしたのでオススメです。
熱海駅にて、JR伊東線に乗り換えます。
JR伊東線といっても、JRの特急と上野東京ラインを除けば、伊豆急行線が乗り入れているため、普通列車は主にこの伊豆急8000系(旧東急8000系)と他に3000系アロハ電車(旧JR209系)が走行しています。
ですので、今回お目当の旧東急8000系に乗るという目的は、熱海駅で達成できてしまいます。
ただし、今回参加する『懐かしの東急8000系ツアー』では、かつて東急線を走っていた頃の姿を見たい・乗りたい・触りたいという夢が叶いますので、本当に参加してよかったと思いました。
さて、伊豆急行線として現役で走っている伊豆急8000系ですが、何と今年は開業60周年ヘッドマークを掲げています。
伊豆急が誇るマスコットキャラクター・いずきゅんが可愛らしいですね。
どうでも良い話ですが、伊豆急の親会社である東急グループのマスコットキャラクターに「のるるん」というヤツがいますが、「いずきゅん」との間に兄弟関係とかあるのでしょうか?
引用元:のるるんのこと|東急電鉄
ちなみに、京浜急行のマスコットに「けいきゅん」というヤツがいまして、むしろ「いずきゅん」は「のるるん」より「けいきゅん」の方に似ている気が……まさか(以下略)
これ以上は今回のテーマから外れてしまいますので、この辺りで話を戻しますが、鉄道系マスコットキャラクター界隈は個人的に今、大変熱い盛り上がりを見せていると注目しています。
新橋駅の黒いハトカラスとか、ぜひ改めて別の記事にてご紹介したいと思います。
さて、話を戻しますが、伊豆急8000系の車体横に取り付けられているコーポレートマークは、一見すると東急に見えるのですが、よく見ると伊豆急だということが分かります。
伊豆急グループは東急の傘下なので、コーポレートマークは同じデザインを使用しているようですね。
他にも、伊豆急行線の駅前には東急ストアが何店舗もありますので、そんな所からもグループとしての連携を垣間見ることができます。
伊豆急8000系ですが、熱海駅〜伊豆高原駅間では3両編成+3両編成で走行しており、伊豆高原駅にて連結を切り離すという運用がされているようです。
伊豆急8000系の運転席です。
運転台の各種制御装置類のことをマスコン(マスター・コントローラー)と言いますが、中央に両手持ちのレバーが鎮座するこの両手ワンハンドルマスコンが、日本の量産車両で初めて搭載されたのは東急8000系でした。
この伊豆急8000系は、昭和46年(1971年)に製造された車体です。
エアコンも追加されてはいますが、今でも天井にむき出しの扇風機が残されており、現役で稼働しています。
ここまでで既に懐かしの旧東急8000系に再会できて無上の喜びを味わえますが、あくまでも今回の目的は東急カラーにラッピングされた8000系に乗るという貴重な乗り鉄活動です。
『懐かしの東急8000系ツアー』参加報告
それでは、いよいよ『懐かしの東急8000系ツアー』の参加報告に入ります!
9:00〜10:50 受付・集合(伊豆高原駅)
今回の『懐かしの東急8000系ツアー』ですが、受付・集合場所は伊豆高原駅の改札前ですので、一旦下車して改札の外に出ます。
伊豆高原駅は車両基地にもなっていて、跨線橋からの眺めも鉄道ファンを楽しませてくれます。
そして、伊豆高原駅の改札付近では「いずきゅん」がお出迎えしてくれています。
伊豆高原駅の改札前すぐ真正面のところに、受付が設置されていました。
受付で参加料の支払いを済ませると、参加証や記念品と共に駅弁もいただけます。
集合時間直前にもなると、かなりの人数の参加者が改札前に集まっていました。
皆さん、早く8000系に会いたくてうずうずしている様子に見えました。
集合時間になり、再び伊豆高原駅のホームに降りると、既に今回の主役・東急8000系ラッピング車が車両基地の端で待っていました。
今回の東急8000系ラッピング車ですが、伊豆高原側の顔はかつて東急東横線・池上線・多摩川線などを走っていた所謂「歌舞伎カラー」のラッピングとなっています。
やばい少年時代を思い出して、懐かしくて涙が出そうに……このご尊顔を拝めるだけで、感無量です。
行先表示には「東急グループ創立100周年記念号」の方向幕が表示されています。
今回の東急8000系ラッピング車は全3両編成となっており、こちらは中間に位置する2号車の車体です。
その側面は、8000系のメタリックボディーが無骨な輝きを放っています。
伊豆急下田側の顔ですが、こちらはおなじみの所謂「赤帯」ラッピングとなっています。
私にとって「東急といえばこの顔」という、ザ・東急線のご尊顔に再会できました。
赤帯側の行先表示には、東急グループ創立100周年を記念するロゴが表示されています。
ちなみに、車体のコーポレートマークをよく見ると「IZUKYU」と書かれています。
車体には東急時代に無かったトイレが増設されており、設置場所の窓は金属板で目張りされています。
この東急8000系ラッピング車ですが、伊豆急行線で現役活躍中の伊豆急8000系車両に東急時代のラッピングを施した車両なので、内部は他の伊豆急8000系と同じです。
片側は昔と同じくクロスシートですが、もう片方はボックスシートに変更されています。
ただ、今回のイベントに合わせて車内の広告スペースに東急線の過去車両などの貴重な写真を展示してあります。
車内の製造年表示を確認すると、昭和45年(1970年)に東急車輌で製造され、平成19年(2007年)に東横車輛電設が改造したという、この車両の歴史を確認できます。
やはり、東急8000系ラッピング車にもありました、天井の扇風機。
風情があって好きです。
車内の中吊り広告にも、東急グループ創立100周年の記念広告が掲示されています。
ドア上のスペースには、JR伊東線・伊豆急行線の路線図が掲示されています。
いずきゅん可愛い。
定刻の11:15分を少し過ぎてから、いよいよ東急8000系ラッピング車は伊豆高原駅を出発しました。
11:15〜12:00 伊豆高原駅〜伊豆急下田駅(絶景と駅弁)
いよいよ東急8000系ラッピング車が走り出しましたが、この伊豆急行線という路線は車窓がまた素晴らしい路線です。
特に最大の目玉スポットは片瀬白田駅〜伊豆稲取駅間の海岸線ギリギリを走る区間で、遠くに大島などの島々が見える一方で波打ち際ギリギリを駆け抜けていく車窓は、控えめに言っても最高の車窓です。
海がまた綺麗で、いつまででも眺めていたい絶景です。
そろそろお腹も空いてきたので、特製の駅弁を頂くことにしました。
駅弁は洋風幕の内弁当でした。
大人から子供まで楽しめるメニューなので、とても良い選択だと思います。
何より、これだけの絶景を眺めながら食べる駅弁の味が、美味しくないはずはありません。
景色も駅弁も、ごちそうさまでした!
12:00〜15:40 伊豆急下田駅着・自由行動
東急8000系ラッピング車に乗っての旅は、約40分間があっという間に感じるほど充実したものでした。
往路の終点である伊豆急下田駅に到着すると、駅のホームにはJRの特急踊り子号と伊豆急3000系アロハ電車が並んでの3ショットも見られる幸運に恵まれました。
ここ伊豆急下田駅には、駅構内に車輪のモニュメントが設置されています。
この車輪は、昭和36年(1961年)の伊豆急行線開業当初から、平成14年(2002年)まで活躍した伊豆急100系電車の実物の車輪だそうです。
また、伊豆急下田駅には「伊豆下田関所」を模した冠木門様式の門がお出迎えしてくれたりと、歴史ファンにとっても嬉しい演出がされています。
今回の『懐かしの東急8000系ツアー』では一旦、この伊豆急下田駅で下車した後、復路の出発時刻まで駅周辺を自由に観光できるというスケジュールになっています。
事前に撮影会ありのコースで申し込んでいる参加者は、この自由時間の間と、伊豆高原駅に戻ってからの時間に撮影会が設けられているという形です。
筆者は今回、撮影会なしのコースに申し込みましたので、伊豆急下田駅周辺の史跡を巡る旅に出かけました。
そちらはまた後日、改めてご紹介したいと思います。
15:40~16:30 伊豆急下田駅~伊豆高原駅
伊豆急下田駅周辺で史跡巡りを終え、集合時刻の15:20に駅まで戻ってきました。
発車時刻の15:40を待つ間に、何とJR特急サフィール踊り子号が入線してきました。
サフィール踊り子号が入線してくると、両者が並ぶ姿を見られると伊豆急行の社員さんがアナウンスして下さりました。
東急8000系ラッピング車とサフィール踊り子号が並ぶ姿という、極上のサプライズで楽しませてくださった伊豆急行の社員さんには感謝です。
最新鋭の高級車両であるサフィール踊り子号と、昭和レトロの香りを放つ東急8000系のコントラストが素晴らしかったです。
16:30頃、伊豆高原駅に到着して無事に『懐かしの東急8000系ツアー』は終了しました。
ちなみに、伊豆高原駅にはお土産屋もありますので、ぜひ旅の思い出を持ち帰ってみてはいかがでしょうか。
特におすすめしたいのが、この伊豆急オリジナルドリップコーヒーです。
全3種ありますが、やはり8000系の横顔が描かれた青色のパッケージ『のんびり電車旅ブレンド』は、きっと8000系へのノスタルジーを薫らせてくれること請け合いです。
帰りは、伊豆高原駅から憧れのサフィール踊り子号で帰路につきました。
筆者は走る電車の食堂車で食事するのが初めての経験でしたので、反射炉ビール『早雲』を飲みながら大興奮のうちに旅を終えました。
改めまして、今回の東急株主限定企画『懐かしの東急8000系ツアー』に携われた全ての方へ感謝いたします。
こんな素敵な企画を開催してくださり、ありがとうございました!