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経営学特講:第1回〜第4回(ゴールデンウィークスクーリング2019)

GWスクーリング

2019年度ゴールデンウィークスクーリング「経営学特講」を受講しましたので、その概要・要点をまとめました。

授業内容の詳細につきましては、実際に受講して頂いて、体験して頂ければと思います。

ナマの講義を受講すると非常に知見が広がる、とても有意義な講義であったと思いますので、ぜひ来年以降に開講される際は受講をオススメいたします。

従いまして、以下全て「個人的に関心の高かった箇所」に限り、まとめていきたいと思います。

【2日目のまとめ記事はこちら】

経営学特講:第5回〜第8回(ゴールデンウィークスクーリング2019)
2019年度ゴールデンウィークスクーリング「経営学特講」を受講しましたので、その概要・要点をまとめました(2日目まとめ)。

授業の概要

2019年5月3日(金・祝)1時限目〜4時限目
会場:富士見ゲート2階 G201教室
担当:溝部陽司先生
配布物:以下の通り。
スライド配布資料:2019年度 GWスクーリング「経営学特講」:第1講〜第4講
プリント:「経営学特講」2019年 小レポート課題

【テキスト(教科書)】
洞口治夫・行本勢基[2012]『入門・経営学—はじめて学ぶ人のために—[第2版]』同友館

【参考書】
琴坂将広[2018]『経営戦略原論』東洋経済新報社

なお、授業はテキストの内容に沿って進みますが、参考書は無くても学習に支障ない内容となっております。

【余談】
今回のGWスク1時限目は、おそらく「法政大学における令和最初の授業」かと思われます。

第1講:テキスト第2章「戦略論入門」

はじめに

テキスト「第2章 戦略論入門」に沿って授業。

成績評価は小レポートと試験にて評価とする。

小レポートは1日目の講義にて分析フレームワークを説明し、2日目の講義にて実際の具体的な分析事例を複数例示するので参考にする事。ポイントはビジュアル的に「分かりやすい」事で、読み手が理解しやすいスライド作成を心がける事。

試験はテキストで取り扱う各章から1問ずつ、合計4問を出題するとの事。テキスト各章に10個ずつキーワードがあり、その中から1題ずつ出題される予定。

なお、本授業においては「単に丸覚えして下さい」ではなく、それをどう分析に応用するかを重要視する。従って、テキストには掲載されていない物も含めて、いくつかの「分析フレームワーク」を紹介する。成績評価は小レポートを40%、試験を60%で評価する。

※参考までに、昨年は1名だけ課題の「小レポートを提出しなかった」受講生が居たが、その受講生は単位「不可」の評価になったそう。先生曰く「自分で分析した学習と経験」を通じて、授業内容を頭に残して欲しいとの事(実際に小レポートを作成した今となって振り返ると、このお言葉は「なるほど!」と思います)。

1-1.戦略と組織

(余談だが)経営の語源について、経は「軍隊の陣を敷く際の縄張り(計画)」であり、営は「その運営」を意味する。

戦略とは「ビジネスで何をするのか」。

組織論は「誰にどのような仕事を任せるか」。

そして、戦略を構築してからその実行組織を構築することから「組織は戦略に従う」という命題が導き出されるとのこと。

「企業は何のためにあるのか?」

戦略も組織も重要であり、かつバラバラでは上手くいかない。

  • ミッション(社会的使命)何を生み出すべきか?
  • 戦略(プランニング)
  • 戦略(プロセス)業務プロセス毎に戦略を落とし込む
  • 組織

第2講:事業領域(ドメイン)の捉え方

事例分析

Panasonicとキヤノンを事例として分析。

『一目でわかるパナソニック』という投資家向け資料が、企業概要をビジュアル的にまとめた分かりやすい資料として参考になる(個人的な印象として、この資料は「小レポート」作成時に分析対象とする企業の概要をまとめる際、項目・表現方法・レイアウトなどの参考に出来たので要チェック)。

パナソニックを事例として、ドメインについて分析。

また、キヤノンを事例に事業の多角化を分析。

第3講:戦略分析フレームワーク(1)

1-1.PPM(プロダクツ・ポートフォリオ・マネジメント)

皆さんお馴染みのPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)です。

基本形は「ある一定の時点を切り取る静止画」なので、これを「時間の経過を反映した動画化」するとよい。

主に撤退の判断に使用されることが多いが、そういう使用方法ですら案外当たらないことも多い(例えば、キヤノンのデジカメ事業はPPM的に「負け犬」に該当していたので、そうすると撤退が妥当という判断になる。しかし、近年のAI技術や自動運転技術などで高精度の光学センサ等に需要が生まれる可能性があり、そうするとカメラ事業で培った技術が将来性に期待できるようになってくる可能性がある等)。

2-1.Five Competitive Forces

皆さんお馴染み、マイケル・ポーターのファイブフォース分析です。

ファイブフォース分析とは、利益をめぐる競争について、既存企業同士の競争に加え、売り手(サプライヤー)の交渉力、買い手(顧客)の交渉力、代替品や代替サービスの脅威、新規参入者の脅威という、5つの競争要因によって業界の構造と競争の性質を分析する分析フレームワークである。

同業他社との「コップの中の争い」にばかり目を向けていては駄目で、自分たちよりも「より美味しい」商売をやっている業界がないか探すべき。

ファイブフォース分析はかなり基本的かつ重要な分析フレームワークなので、経営戦略論などの授業と重複する所ではありますが、改めてよく学習しておくとよいです。

なお所感ですが、ポーターのファイブフォース分析につきましては、事前にこちらの文献などをご一読されると理解が深まるのでオススメです(ファイブフォース分析のページだけでも効果あり)。

【事前に読んでおいた参考文献】

マイケル E.ポーター(監訳者:竹内弘高)[2018]『[新版]競争戦略論Ⅰ』ダイヤモンド社

3.『アンゾフのマトリックス』:「製品」・「市場」軸での戦略4分類

これまた皆さんお馴染み、イゴール・アンゾフのマトリックスです。

ポイントは「市場浸透からいきなり多角化には進めない」という点です(製品開発か市場開拓を経由する必要がある)。

授業ではApple、キヤノン、任天堂を事例に分かりやすい説明あり。

アンゾフのマトリックスもかなり基本的かつ重要な分析フレームワークなので、やはり経営戦略論などの授業と重複する所ではありますが、こちらも改めてよく学習しておくとよいです。

【事前に読んでおいた参考文献】

H・I・アンゾフ(訳者:広田寿亮)[1969]『企業戦略論』産業能率大学出版部

なお、こちらの文献は相当古い為、入手が困難かもしれません。従って、法政大学図書館で借りて読む事をオススメいたします。

※ご参考までに、以下のリンクから上記文献の法政大学図書館OPACページに直接飛べますので、興味のある方はご活用ください。

企業戦略論 / H.I.アンゾフ著 ; 広田寿亮訳 | 法政大学図書館 蔵書情報
OnlinePublicAccessCatalog

第4講:戦略分析フレームワーク(2)

1.STP:どのようにお客様に買ってもらうか

STPとは、マーケティング論の領域において「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3点から分析する手法である。

会社全体の事業に対して、その会社がどこの市場を狙うのか、どういう商品をぶつけるのか等を分析する際に用いられる。

セグメンテーションは市場を分類(分割)し、その商品の利用シーンをプロファイリングする等して有利に戦える市場を検討する。

縦軸に商品特性を、横軸に年齢断面や収入断面、地域断面など様々な切り口を選択して、自社が有利に戦えるセグメントを探す。

そして、ターゲティングにて狙う顧客層を絞り込み、ポジショニングにて「どういう商品である」という位置づけで戦うのかを検討する。

7.SWOT分析

SWOT分析(スウォットぶんせき)とは、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4要素から事業の内部環境・外部環境を分析し、戦略を検討する分析フレームワークである。

ポイントは強みと弱みは「過去および現在」の事であり、機会と脅威は「将来」の事である点を混同しないようにする事。

また、実際にSWOT分析を行う際は、まず弱みについて「問題点を直視して」検討し、次いで強み、機会、脅威の順に検討するとよいとの事。

なお、今回の課題である「小レポート」の企業分析を行う際は、このSWOT分析がもっとも使いやすい分析フレームワークだろうとの事です。

8.VRIOフレームワーク

VRIOフレームワーク(ブリオふれーむわーく)とは、価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)の4つの問いに対して、その経営資源やケイパビリティが強みなのか弱みなのかを判断する事ができる分析フレームワークである。

「チェックリスト」となる分析フレームワークであはるが、しかし「じゃあこれからどうするか?」という部分を分析しづらい。

なお所感ですが、VRIO分析につきましては発案者であるバーニーの文献がありますので、事前にご一読されると理解が深まるのでオススメです(VRIOフレームワークのページだけでも効果あり)。

【事前に読んでおいた参考文献】

ジェイ・B・バーニー(訳者:岡田正大)[2009]『企業戦略論【上】基本編—競争優位の構築と持続—』ダイヤモンド社

1日目まとめ

今回はゴールデンウィークスクーリングに初参加でしたが、まず9:00〜17:00という終日受講するスケジュールは結構ハードに感じました。

そのため、ここ一番の重要な説明が行われる際に、集中力をより一層高めるようなイメージで授業に臨むと良いかもしれません。

個人的な感想としては、分析フレームワークの部分が面白かったです(単純に好きな領域だからかもしれませんが)。

あとは、短期間に受講するので、授業の理解を一層深めたいと思うのであれば、やはり予習必須かなと思いました。

以上、2019年度ゴールデンウィークスクーリングまとめ、初日分でした。

【2日目のまとめ記事はこちら】

経営学特講:第5回〜第8回(ゴールデンウィークスクーリング2019)
2019年度ゴールデンウィークスクーリング「経営学特講」を受講しましたので、その概要・要点をまとめました(2日目まとめ)。
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