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経営管理論Ⅱ:第5回〜第6回(秋期スクーリング2019)

秋期スクーリング

2019年度秋期スクーリング『経営管理論Ⅱ』の講義を受講中ですので、個人的に興味のある項目を中心にまとめたいと思います。

本科目は春期スク水曜6時限目、経済学部商業学科では専門選択必修科目となっております。

【関連記事】第1回~第4回はこちら

経営管理論Ⅱ:第1回〜第2回(秋期スクーリング2019)
2019年度秋期スクーリング『経営管理論Ⅱ』の講義を受講開始したので、興味のある項目を中心にまとめたいと思います。 本科目は春期スク水曜6時限目、経済学部商業学科では専門選択必修科目となっております。 担当は春期スクーリングの経営管理論Ⅰに続いて、松本潔(マツモトキヨシ)先生で、大変人当たりの良い語り口で授業して下さり好印象の先生です。
経営管理論Ⅱ:第3回〜第4回(秋期スクーリング2019)
バーナードの組織論(続き) 前回の授業で取り扱ったバーナードの近代的管理論について、3つの組織過程を復習(「専門化」「誘因」「コミュニケーション」)し、さらに前回の続きを学習した。 また、授業後半ではサイモンの意思決定論を取り扱った。 「意思決定の理論」の系譜としては、バーナードの理論がサイモンにつがなっていき、今日にも大きな影響を与えている。

なお、おおむね授業2回分を1記事にまとめるペースで進めたいと思います。

第5回 近代的管理論Ⅲ(J.G.マーチ&サイモンおよびH.I.アンゾフ)

概要

2019年10月24日(水)6時限目

配布物:なし

4.マーチ&サイモンの組織論(続き)

予定では、第5回は「環境適応理論Ⅰ(F.E.フィードラー、P.ハーシー&K.H.ブランチャード)」となっていたが、まだ前回の内容が終わっていないのでその続きからとなった。

(5)組織行動の認知的側面

マーチ&サイモンは、組織が環境から情報を収集し、これを処理して意思決定を行い、環境適応を試みるとし、行為を分類した。

  1. 「日常反復的行為」
    →「行動プログラム」を準備する(ルール・制度化、マニュアル化)
  2. 「非反復的行為」
    →新たな「行動プログラム」を探索→問題解決行動=イノベーション(革新)
    →「先の見通しをどうつけて行動していくか?」という戦略的視点が必要

この「行動プログラム」は組織の統制・調整機能(関連:ファヨールのマネジメント・プロセス)を果たす事になり、また組織の構造(階層)を構成する。

(6)組織のコンフリクトと革新

マーチ&サイモンは、組織を「意思決定の複合体」として捉えたサイモンの概念を用い(目的と手段の連鎖)、さらに「プログラムの複合体」として把握するとした。

日常反復的行為においては定型的意思決定がなされるが、非反復的行為においては非定型的意思決定がなされる。

この非定型的意思決定こそが、革新的意思決定であり、ひいては組織内コンフリクト解決の糸口となる。

5.アンゾフの戦略的意思決定論

アンゾフの戦略的意思決定論は、トップマネジメントにおける意思決定を取り扱う。

サイモンらの意思決定論を踏襲している。

特に有名な著書は[1965]『企業戦略論』である(法政大学の図書館にも蔵書されております)。

企業戦略論 / H.I. アンゾフ著 ; 広田寿亮訳 | 法政大学図書館 蔵書情報
Online Public Access Catalog

また[1979]『戦略経営論』は「チャンドラーの理論」との対比で良く論じられるとの事。

(2)意思決定の類型

「ヒト・モノ・カネ・情報をいかに上手く組み合わせていくか」を意思決定の観点から捉えた。

  1. 「戦略的意思決定」トップ・マネジメント
  2. 「管理的意思決定」ミドル・マネジメント
  3. 「業務的意思決定」ロワー・マネジメント

戦略的意思決定においては非定型的意思決定が大半を占め、業務的意思決定においては定型的意思決定が多い。

ただし、上記1〜3は相互依存性・相互補完的関係が存在する(1〜3は整合がとられた状態で行われる必要がある)。

(3)戦略の概念

アンゾフの戦略的意思決定論を理解する上で重要な項目だが、詳細は配布の学説集P.222参照。

第6回 環境適応理論Ⅰ(F.E.フィードラー、P.ハーシー&K.H.ブランチャード)

概要

2019年10月30日(水)6時限目

配布物:以下の通り。

  • スライド資料『法政大通教「経営管理論Ⅱ」コンティンジェンシー理論(1)』

5.アンゾフの戦略的意思決定論(続き)

(4)アンゾフの成長ベクトル・モデル

いよいよ、アンゾフのマトリクスが登場。

アンゾフはトップの意思決定として、製品-市場という基準を元に企業が選択すべき事業領域とその戦略を4つのマトリックスで提示した。

なお、マトリクスについては松本先生が板書にて詳細な解説をして下さりました。

【関連記事】以前、GWスクにてアンゾフのマトリクスを扱った時の記事

経営学特講:第1回〜第4回(ゴールデンウィークスクーリング2019)
2019年度ゴールデンウィークスクーリング「経営学特講」を受講しましたので、その概要・要点をまとめました。授業内容の詳細につきましては、実際に受講して頂いて、体験して頂ければと思います。
経営学特講:第5回〜第8回(ゴールデンウィークスクーリング2019)
2019年度ゴールデンウィークスクーリング「経営学特講」を受講しましたので、その概要・要点をまとめました(2日目まとめ)。

6.近代的組織論の与えた影響

これまでに登場した4種類の人間観について、学説集のプリントに掲載されている一覧表を見ながら確認。

1.コンティンジェンシー理論の意義

コンティンジェンシー理論は環境(条件)適応理論とも呼ばれる。

企業の内外の環境(条件・状況)との相互作用を重視し、またオープン・システム・アプローチを取り入れる。

(2)環境(状況)依存性

コンティンジェンシー理論の肝は「企業組織における管理や組織化の唯一最善の方策は存在しない」という考え方にある。

それ故、逆に「どっちつかず」の理論であるとの批判もある。

2.フィードラーのリーダーシップ理論

フィードラーは「LPC尺度」を用いてリーダーシップ・スタイルを測定し、部下の態度・状況により有効なスタイルが異なる事を実証した。

学説集P.251図表17-2参照。

(2)フィードラーによる集団の類型化

フィードラーは「相互依存型集団」について焦点を当てて分析した。

(3)「相互依存型集団」への分析

「人間関係指向的リーダー」と「課業指向的リーダー」が、それぞれに適している集団類型を学説集P.250図表17-1を交えて説明。

3.ハーシー&ブランチャードのリーダーシップ理論

ハーシー&ブランチャードはSL理論を提唱した。

SL理論は実務の現場に当てはめて考えると「まあ、そうだよな」という内容。

詳細は次回の授業に持ち越し。

感想

ようやく、第5回〜第6回にてアンゾフの理論を取り扱いました。

ただ、授業の進み具合が予定より遅れており、後半戦で取り扱う予定の理論が駆け足になってしまわないか少々危惧するところです(個人的には、開催される授業の回数を増やして頂いてでも、現在のペースで聴きたい内容の詰まった授業を毎回受講させて頂いていると思いますが)。

この科目は非常に面白いので、最後まで毎回しっかり集中して受講したいと思います。

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