【お知らせ】サイトのドメインを変更しました。今後ともよろしくお願いいたします。

上野東照宮|徳川家康公を祀る黄金の東照宮(夜間ライトアップも)

上野東照宮夜間ライトアップ本殿その2 家康公ゆかりの地:関東編

東照宮は、東照大権現すなわち「神となった徳川家康公」をお祀りする神社です。

江戸時代、東照宮は日本各地にこぞって建立され、廃絶したものも含めるとその数なんと約700社ほどにまで達するものの、明治維新後の廃仏毀釈によって現在は約130社程度が残っています。

今回はその中でも、四大東照宮とも称される東照宮を訪れてみました。

なお、この東照宮の正式名称は「東照宮」なのですが、他の東照宮と区別するため便宜上「上野東照宮」と呼ばれているそうです。

はじめに

上野東照宮は寛永4年(1627年)に藤堂高虎が、当時上野にあった自身の敷地内に創建したのが発祥です。

その後、慶安4年(1651年)に家康公の孫である三代将軍・徳川家光が改築したものが、現在まで残る社殿となっております。

近年は、期間限定で夜間ライトアップも行われております。

上野東照宮の境内図です。

おすすめの参拝経路は境内図下側の大石鳥居から唐門に向かう経路です。

大石鳥居から表参道を進む間に、有名な諸大名の奉納した灯篭を楽しめます。

特に筆者おすすめの灯篭を後述しますので、ぜひ参拝の際はご鑑賞ください。

ちなみに、上野東照宮は「ぼたん苑」も有名です。

春と冬に参拝する際は、ぜひお立ち寄りください。

境内内には上野東照宮についての案内看板もあります。

上記の『東照宮略記』によると、元和2年2月に家康公を見舞いに駿府城を訪れた藤堂高虎と天海大僧正(南光坊天海)に、家康公が命じて高虎により建立されたのがこの上野東照宮である事が分かります。

その後、寛永4年に三代将軍・徳川家光が造営替えしたとの事です。

上野東照宮の鳥居・灯篭

筆者オススメの参拝ルートでもある、大石鳥居から唐門に向かって歩いてみました。

上野東照宮の鳥居(大石鳥居)

上野東照宮の正面に位置する大石鳥居です。

木製の鳥居ではなく、石製の鳥居です。

上野東照宮大石鳥居全体像

上野東照宮の大石鳥居は寛永10年酉4月17日、酒井忠世によって建てられた事が分かります。

その後、享保19年甲寅12月19日、忠世から7代後の子孫・酒井忠知により再建(磨き直し)されたようです。

誰が建てた鳥居か(例えば、日光東照宮の石鳥居には「黒田長政」の名が刻まれている)など、鳥居に書かれた文字を読んでみると意外と面白いです。

水舎門

大石鳥居を抜けるとすぐに、上野東照宮の水舎門があります。

上野東照宮水舎門

上野東照宮水舎門接写

また、屋根の瓦や破風には、徳川家を象徴する葵の御紋(三葉葵)がみられます。

上野東照宮水舎門屋根瓦と破風の三葉葵御紋

真田信之の奉納した灯篭

真田信之は信州上田藩の藩祖となった大名です。

信之は、豊臣秀吉より「表裏比興の者」と称された真田昌幸の嫡男にして、真田幸村こと真田信繁の兄にあたります。

NHK大河ドラマ『真田丸』では、主人公の信繁を堺雅人さんが、昌幸を草刈正雄さんが、そして信之を大泉洋さんが演じておりました(同作での「犬伏の別れ」は涙なくして観られず、またクライマックスとなる「大坂の陣」は近年の大河ドラマ史上ぶっちぎりの迫力ある合戦シーンでした)。

そんな真田信之の奉納した灯篭は、上野東照宮境内のこの位置にあります。

実物はこちらです。

灯篭の下部には「真田伊豆守滋野朝臣信之」と掘られています。

真田信之奉納の灯篭(文字)

藤堂高虎の奉納した灯篭

藤堂高虎は戦国時代末期から江戸時代初期にかけて活躍した、伊予今治藩主、後に伊勢津藩の初代藩主です。

主君を度々変えたとか、築城の名人などで有名ですが、非常に優秀有能かつ魅力的な大名でもあります。

寝屋を出るよりその日を死番と心得るべし。かように覚悟極まるゆえに物に動ずることなし。これ本意となすべし。

引用元:高虎遺書禄二百ヶ条

意訳すると「朝、寝室を出る時から今日一日を死ぬ日だと思えば、覚悟が決まるので物事に動じなくなる。そう思って生きよ」という感じであり、今日を生きる私たちも見習うべき教えではないでしょうか。

また、家康公からも非常に信頼されており、外様大名であるにもかかわらず譜代大名格の扱いを受け、家康公より幕府の先鋒として譜代大名は井伊家、外様大名は藤堂家が命じられる程でした。

下の写真では、向かって一番左側の灯篭が藤堂高虎の奉納した灯篭です。

灯篭には「伊賀少将藤原朝臣高虎」と刻まれております。

松平信綱(知恵伊豆)の奉納した灯篭

松平信綱は江戸時代前期の大名で武蔵国忍藩主、のち同川越藩藩主であり、幕府の老中も務めました。

信綱は非常なる知恵者であり、その官職名である伊豆守から「知恵伊豆(知恵出ず)」とも称されました。

ちなみに、筆者も毎週楽しみにしているNHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』の番組名は、この「知恵伊豆」が元ネタです。

なお、松平信綱の灯篭(下図149〜150)は拝観料を納めて社殿を見学した後、出口の直前にありますので見落とさないよう要注意です(拝観料を納めなければ見られない場所にあります)。

写真手前の2基が松平信綱の奉納した灯篭です。

灯篭には「従四位下侍従兼伊豆守源性松平氏信綱」と刻まれております。

上野東照宮社殿

それでは、いよいよ上野東照宮の社殿を見てみましょう。

上野東照宮・唐門

上野東照宮の唐門です。

唐門の左右に灯篭が6基ありますが、こちらは唐門の左右それぞれ唐門に近い側から順に、紀伊徳川家の徳川頼宣、水戸徳川家の徳川頼房、尾張徳川家の徳川光義の奉納した灯篭です(御三家灯篭)。

上野東照宮唐門(全景)

唐門の正面から。

上野東照宮唐門

唐門についての案内看板。

上野東照宮・透塀

唐門の左手にある社務所で拝観料500円を納めると、上野東照宮の本殿を見ることができます。

その本殿をぐるりと囲むように建つ透塀(すきべい)がまた美しく、見応えあります。

上野東照宮透塀その1

施された彫刻がまた美しく、本殿への期待感も高まります。

上野東照宮透塀その2

透塀の屋根瓦には、黄金の三つ葉葵が輝きます。

上野東照宮透塀の瓦

透塀について。

上野東照宮透塀案内看板

この近くに立派な御神木もありますので、ぜひそちらもご覧ください。

上野東照宮・本殿

いよいよ、上野東照宮の本殿です。

こちらが、上野東照宮の本殿です。

上野東照宮本殿正面その1

黄金に光り輝く社殿は圧巻の一言です。

上野東照宮本殿正面その2

黒がまた金の輝きを引き立てます。

上野東照宮本殿正面その3

上野東照宮・唐門裏

本殿の目の前が唐門の裏側になっておりますが、そちらも素晴らしい美しさです。

上野東照宮唐門(裏)遠景

上野東照宮唐門(裏)

上野東照宮唐門(裏)彫刻その1

上野東照宮唐門(裏)彫刻その2

上野東照宮・五重塔

実は、上野東照宮には五重塔がありました。

明治時代に寛永寺の所属となり、後に東京都の所属となったとのことです。

併設する五重塔はもとは東照宮所属であったが明治の神仏分離令により寛永寺の所属となった。しかし寛永寺は上野戦争により焼失し移転したため距離があり、文化財管理の必要から東京都に譲渡された。現在は上野動物園内に位置するが、五重塔の正面は東照宮の参道に面した面である。

引用元:上野東照宮 - Wikipedia

故に、現在は上野動物公園の敷地内にあるため、東照宮側からは直接行くことができません。

上野動物公園の入園料を支払い、入園すると正面から見ることができます。

こちらが、元・上野東照宮の五重塔だった五重塔です。

上野東照宮五重塔遠景

上野東照宮に参拝した後は、上野動物公園に入園して五重塔を見るのも良いと思います。

上野東照宮五重塔正面

なお、五重塔の周りはぐるりと一周歩けるようになっておりますので、ぜひ一周して五重塔を味わってみてください。

上野東照宮五重塔側面

期間限定の夜間ライトアップ『夢叶う光の夜』

近年、上野東照宮では毎年秋頃に期間限定の夜間ライトアップを行なっていると聞き、行ってみました。

令和元年度は令和元年11月2日(土)〜11月10日(日)開催でした。

なお、時間帯は17:30以降がおすすめです(あまり早い時間帯より暗くなってからの方が美しいです)。

上野東照宮夜間ライトアップ看板

上野東照宮夜間ライトアップ(鳥居・参道・唐門)

入口の石鳥居もライトアップされていて、日中とはまるで違う雰囲気を醸し出しています。

上野東照宮夜間ライトアップ鳥居

参道は薄暗く、参道の左右に行灯が並んでいいます。

上野東照宮夜間ライトアップ参道

こちらが、夜間ライトアップされた上野東照宮の唐門です。

上野東照宮夜間ライトアップ唐門その1

暗闇の中で光り輝く様は、日中とはまるで異なる印象です。

上野東照宮夜間ライトアップ唐門その2

上野東照宮夜間ライトアップ(御神木・本殿)

さらに、夜間ライトアップの期間中は暗い時間帯でも本殿まで見ることができます。

社務所で拝観料を納めると、このような手で持つ照明を貸してくれます。

上野東照宮夜間ライトアップ照明

御神木前の道もライトアップされております。

照明の色は一定時間ごとに変わります。

上野東照宮夜間ライトアップ神木前の通路

御神木もライトアップされております。

また、スモークが炊かれていて、ライトアップと併せて御神木が妖しく見えます。

上野東照宮夜間ライトアップ御神木

こちらが、夜間ライトアップされた上野東照宮の本殿です。

上野東照宮夜間ライトアップ本殿その1

周囲が暗いため、日中以上に黄金の輝きが一層映えます。

上野東照宮夜間ライトアップ本殿その2

まだ薄暗い時間帯から鑑賞しましたが、やはり暗くなってからの方がライトアップの効果が増して一層美しく見えます。

上野東照宮夜間ライトアップ本殿その3

圧巻の美しさです。

上野東照宮夜間ライトアップ本殿その4

大量の金箔を用いて建立された上野東照宮だからこその夜間ライトアップと言えます。

上野東照宮夜間ライトアップ本殿その5

日中に見た時は気づきませんでしたが、柱の金箔に微妙な濃淡があったりして、黄金の色合いもまた夜間ライトアップだからこその味わいがありました。

年末年始・初詣の上野東照宮

以下の情報は令和2年の初詣についてですが、翌年以降の参考にご紹介いたします。

初詣は上野東照宮へ
令和初めてのお正月は上野東照宮で初詣を。良い一年になりますよう願いを込めて。お正月限定授与品、破魔矢(1000円ぼたん苑招待券1枚つき)、干支土鈴(1000円ぼたん苑招待券1枚つき)、干支絵馬(600円)はお正月からの授与です。
大晦日も通常通り16:30に閉門し、安全上の理由から夜間は開門しません。元日は9:00開門(御守、御朱印は9:30から)となります。
皆様のお越しをお待ちしております。

【予告】第38回冬ぼたんのお知らせ
来年元旦から始まるぼたん苑の期間が決定致しました。
第38回 上野東照宮 冬ぼたん
開苑期間: 2020年1月1日(水)~2月24日(月)
開苑時間: 午前9時30分~午後4時30分(入苑締切)
入苑料 : 大人(中学生以上)700円 団体600円(20名以上) 小学生以下無料
ぼたん苑期間限定で しあわせぼたん守(600円) の授与も致します。新年を祝う可憐なぼたんを是非ご覧ください。

【予告】令和二年お正月特別限定御朱印のお知らせ
令和二年元日から特別限定御朱印(800円)を授与致します。表面に立体感のある市松模様の美しい和紙に干支や牡丹、社殿をあしらった見開き御朱印です。特別限定御朱印は数量限定です。たくさんご用意しておりますが、終了の際はご了承くださいませ。
1/1(水)から1/13(月・振替休日)の期間は特別限定御朱印(800円)と書き置き御朱印(書き置き和紙300円・当宮の御朱印帳に書き置き2000円)のみの授与となります。ぼたん苑時期ですので書き置き御朱印には牡丹の押印をしております。お客様ご持参の御朱印帳にはお書きできませんことご了承くださいませ。授与時間は9:30から16:30です。
※御朱印の転売は絶対になさいませんよう切にお願い申し上げます。

引用元:上野東照宮公式ホームページ

正月の初詣は上野東照宮、というのはいかがでしょうか。

さいごに

上野東照宮は上野駅からすぐという立地にありながら、江戸時代初期に建立された本殿や灯篭などが現存している、非常に貴重な史跡です。

また、家康公を祀る東照宮は全国に様々な東照宮がありますが、この上野東照宮の黄金っぷりは見応えがあります。

また、近年人気の御朱印もあり、夜間ライトアップや初詣などでは期間限定の御朱印もあります。

併設の牡丹園も併せて、一度だけでは楽しみきれない東照宮だと思いますので、ぜひ何度も参拝してみてはいかがでしょうか。

案内情報・アクセス

案内情報

名称:東照宮(上野東照宮)
住所:東京都台東区上野公園9-88
電話:03-3822-3455(社務所)
備考:駐車場なし
拝観料:500円

上野東照宮へのアクセス

主な最寄駅は以下の通りです。

上野駅:徒歩約8分(上野駅公園口より)

  • JR宇都宮線
  • JR高崎線
  • JR京浜東北線
  • JR山手線
  • JR常磐線(快速)
  • JR上野東京ライン
  • 東京メトロ銀座線
  • 東京メトロ日比谷線

京成上野駅:徒歩約8分

  • 京成本線
  • 京成スカイアクセス線

根津駅:徒歩約12分

  • 東京メトロ千代田線(小田急線直通運転あり)

関連記事

【他の東照宮についてはこちら】

鴻巣御殿跡|鴻巣御殿東照宮は家康公ゆかりの「日本一小さい東照宮」
鴻巣御殿跡は、埼玉県鴻巣市本町4丁目8-26にある鴻巣御殿の跡地です。 鴻巣御殿は徳川家康公によって、鷹狩や領内視察などの宿泊や休憩所として文禄2年(1593)に建てられました。 その跡地に建つ鴻巣御殿東照宮(御成町東照宮)は「日本一小さい東照宮」だそうです。
船橋御殿跡東照宮|徳川家康公ゆかりの史跡「日本一小さい東照宮」
船橋御殿跡東照宮は、千葉県船橋市本町4丁目29-7にある船橋御殿の跡地に建つ東照宮です。 船橋御殿は徳川家康公によって、鷹狩や領内視察などの宿泊や休憩所として慶長19年(1614)頃に建てられたと推定されています。 その跡地に建つ船橋御殿跡東照宮は「日本一小さい東照宮」だそうです。

※近日中に、芝東照宮の記事を公開予定。

【家康公ゆかりの地めぐり】

タイトルとURLをコピーしました